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目次
はじめに
あなたはカンファレンスやイベントなどで企業の展示ブースを見たことがありますか?
また、今まで見たなかで印象に残った企業ブースはありますか?
この記事を書くに至った経緯
2024年10月時点、私はいろんなエンジニア向けカンファレンスに参加しています。
始まりの動機は「楽しい」や「勉強になる」、「社外の人と交流ができる」などでしたが、今は「1人の技術広報として PRのヒントを得る」の要素が強くなってきています!
特に、以前の記事「iOSDC Japan 2024で印象に残ったブースまとめ」なんかは完全にその視点によるものです。笑
そして、直近では PyCon JP 2024のスタッフとして、多くの企業ブースを観察しつつ、ブーススタッフの方たちからお話を聞いていました。
その過程で、明らかに魅力的な企業ブースとそうでないものとの違いを肌で感じました。
“そうでないもの” と書くと極端に思われるかもしれませんが、そう表現してしまうほどに “圧倒的” な企業ブースがあると感じました。
そこで、私の思う “圧倒的” の事例と、自分たちもそこに到達するための仮説を書いてみようと思います! ✍️
この記事で書くこと
この記事では、以下のような内容を書いてみようと思います!
- “圧倒的” だと感じたブースの例
- ブース設計の考え方の仮説
対象読者
上記を踏まえると、主な対象読者は「技術広報および PRコンテンツの設計・制作に関わる方」になると思います。
ただ、「PRには関わらないがよくカンファレンスに参加する方」にも届くと嬉しいです。
もしかすると、あなたにとって魅力的な企業を発見する視点の 1つになるかもしれません!
⚠️ 注意事項
- あくまで個人の見解で執筆します
- ここで紹介する事例はあくまで中立な立場によるものであり、利害関係はありません
- ここで賞賛した企業とあなたの接点において、常に素晴らしい体験を保証するものではありません
“圧倒的”だと感じたブースの例
前提に量がある
前提として、ここで紹介する 3社は共通してまずブース出展の量が圧倒的です。
「どのイベントいってもいるじゃん…」と感じたことがあるのは私だけではないと思います 😂
各社、量が圧倒的でありながら、別の圧倒的な要素も併せ持っているのです。
では 3社の例を紹介していきます!
Findyさん
まず何より、私がこの記事を書こうと決めたのは、Findyさんのブース体験が圧倒的に素晴らしかったからに他なりません。
「1本記事を書こう」と思わせるほどに衝撃でした…
何が圧倒的なのかというと、「ブースで話すスタッフさん全員の人柄がはちゃめちゃに良い」ことです。
“良い” ではありません。 “はちゃめちゃに良い” です。
誰か 1人の話ではありません。全員です。
笑顔で親切で親しみやすい。話していて気持ちが良い。
「あれ?私、実はこの人と旧知の仲なんじゃ…」と錯覚する。存在しない記憶が脳内に溢れ出す (芥見下々『呪術廻戦』参照) 。
これは本当にすごいことだと思います。
思えば、たくさんのブースを回って観察している間、私はモノにばかり注目していました。
「このコンテンツいいな」「アイデアに溢れるノベルティだな」とか。
もちろん Findyさんのことはずっと前から知っていて、顔馴染みの方もいます。
数々のイベントで Findyさんのブースに立ち寄って、それこそ「どのイベントでも出展されててすごいな…」とか思っていました 🙄
そして、いろんなブースを回り、長い時間を経て気付いた圧倒的な魅力が “人“。
結局は人に行き着くのかと、実体験を通して学びました。
このあと他の事例も紹介しますが、個人的に Findyさんは圧倒的に圧倒的です 👏👏
Forkwellさん
次は Forkwellさん。先の iOSDCの記事でも紹介しました!
その記事でも触れているのですが、楽しさの演出が圧倒的です。
まずはブースの華やかさ、スタッフさんのはっぴがわかりやすいですね。
また、PyCon JP 2024では、Pythonにちなんでヘビの小ネタがたくさん仕込んでありました。
釣り竿がヘビだったり、バナーにもヘビがいたり。しまいには上神明天祖 (?) のすねーく饅頭 (?) を置いていたり…
なんというか、突き抜けてる 😂
この「楽しさ」という魅力は即効性がありますよね〜
おみくじといった企画とあわせて、その場で自社にポジティブなイメージを持ってもらえそうです。
次お見かけするときはどんなブースになっているのか、とっても楽しみです! 😊
Timeeさん
最後は Timeeさんです。
何が圧倒的だと思うかというと、エンジニアの待遇です。
エンジニアの開発を支援するために、たくさんの制度があるそうです。
- 事務作業を肩代わりしてもらえる
- 執筆のためにいろんな手助けを得られる
- 個々人に技術顧問をつけられる
- etc.
すごいですよね…
これだけ圧倒的な高待遇を用意してあるのなら、それ単体で充分に魅力は伝わります 👍
で、これをブースでどう活用するのかというと、「この制度の中で好きなものをポストしてもらう」です。
すでにわかりやすい圧倒的な魅力があるので、あとはそれを拡散するだけでいい。
シンプルに強いですよね!
それでたくさんのカンファレンスで出展されているわけですから、採用の活性化に大きく寄与するのではと思います。
ブース設計における仮説
私が “圧倒的” だと思うブースの例を見てきました。
では、これを自分たちでも達成するためにはどうすればよいのかを考えてみます。
ここで紹介するのは当たり前のことばかりなのですが、丁寧にやることでより良いものができ、かつ今後の改善にも繋げやすいと思います。
伝えたいこと (自社 or プロダクトの魅力) を明確化する
カンファレンスでブースを出展するとしたとき、その目的は何なのか?
採用?プロダクトを使ってもらうこと?
まずはそれらを明確にすることが大事そうです。
次は、「その目的を達成するために、何を伝えたらよい?」を絞り、磨いていきたいですね。
たとえば、単純に以下のような観点があります。
- 採用したいセグメントに対し、何をアピールしたら興味を持ってもらえるのか
- 見込み顧客に対し、何をアピールしたら購入を検討してもらえるのか
良い体験を設計する
さて、私が目指しているのは “圧倒的” です。
Timeeさんのようにわかりやすく驚きもある訴求点をすでに持っているなら、それを認知してもらうだけで良いでしょう。
ただ、ここでは工夫して伝え、気付いてもらうことを前提に考えてみます。
ここで重要になってくるのは、ブースで「良い体験をしてもらう」ことだと思います。
伝えたい魅力を組み込んだ良い体験を設計し、それを通してターゲット (ブースを訪れた人) に気付いてもらうわけですね 💡
魅力を伝えるためのブース上コンテンツとして、たとえばプロダクトのデモやクイズ、ノベルティなどがあります。
それらによる体験が良ければ良いほど、自社・プロダクトにポジティブな印象を持ってもらえて、魅力を感じてもらいやすいと思います。
まずは体験、コンテンツともにアイデアをたくさん考えてみるのがよさそうです。
「これいいかも!」と思うものがあれば、より深く考えて磨いていきましょう。
アイデアは相互に影響し合うものだと思うので、求める体験、魅力の伝え方、それぞれを行き来しながら検討してもよいと思います!
上記のように 2軸のグラフで捉えてもよいですし、ベン図やチェックリストなどの捉え方もあるかもしれませんね。
上図でいうと、左 (青) が伝えたい魅力、右 (赤) が求める体験です。
「プロダクト」と「楽しさ」を組み合わせて「楽しいデモ」を作ったり。
さらに「実利」を組み合わせて「ユニークなノベルティ」を考えたりするのもありですね。
「最高の人柄 (== カルチャー + 働くメリット)」をアピールしたいなら、とにかく訪問者とスタッフの対話を促すブース設計がいいかもしれません!
できれば成果を計測する指標も
ここで設計したブースは何をもって成功といえるのでしょうか?
もし期待する効果が定量化できるのであれば、それを事前に目標として可視化しておくとよいでしょう。
たとえば Xのポスト数とか、ノベルティを受け取ってくれた人数とか…
そういった指標をもとに計測ができれば、後で成果を振り返りやすくなります。
同様に、改善のサイクルも回しやすくなります 💪
まとめ
ここまで、私が “圧倒的” だと感じたブースと、そこから学んだ設計方法の仮説を紹介してきました。
まとめると以下のような感じでしょうか 🤔
- 「すごい」と思わせるブースを出している企業は、簡単に真似できない圧倒的な何かを持っている
- 人の良さ
- 楽しさの演出
- ユニークな制度
- etc.
- それに加えて、圧倒的な量を出していたりもする
- ブース設計においては、「伝えたい魅力」と「良い体験」を組み合わせて考える
- 改善サイクルのために、成功の指標を定義、計測するとより良い
同じ課題に向き合う方にとって、少しでも参考になれば嬉しく思います。
また、広報に直接関わらない方にも、企業ブースの楽しみ方のヒントを与えられたなら幸いです 😊