新入社員たちの成長速度と誠実な姿勢に感動した話

読み終えるまでの目安: 10分

目次

概要

2023年4月、自社の新卒採用者の研修に参画し、数十人の新入社員とふれあった

そこで彼らの凄まじい学習意欲、日進月歩の成長、ひたむきで誠意ある姿勢を目にして感銘を受けた
価値観が変わるほどの衝撃的な体験で、要するにエモかった
同時に、育成に関して多くの知見を得たり、自身も成長できたりと、非常に実りある取り組みだったとも感じている

それらを振り返って紹介してみようと思う

何をやったのか

研修の全体像

  • 4月の最初から最後までの 1ヶ月間
  • 研修は基本的にリモート開催で、最後の 3日間だけ現地開催
  • HR部が研修全体の運営をしており、カリキュラムやタイムテーブルなどを組む
    そして、新入社員に身近な存在として先生役がアサインされ、詳細が委譲されるような形
    先生役は比較的若手の社員から選出され、基本的には立候補制
    職種もさまざま
  • 新入社員は 36人くらいでまとめられる
  • 36人に対し、先生役は基本的に 2人
    つまり相方がいて、適宜分担しながら取り組む
  • 先生役の仕事は以下の通り
    • 研修カリキュラムのファシリテーションをしたり
      HR部の作った資料を使って代わりに進行する
      中には厳密なロールプレイを要求されるものもあった
    • 企画を考えて進行したり
      詳細は後述
    • 毎日の振り返り (日誌とよぶ) を読んでコメントしたり
    • さまざまな問い合わせ・相談に対応し、メンタルフォローをしたり
    • 全体のカリキュラムに支障がない範囲で自由に運営する
      たとえば、夜は毎日のように Zoomを開放し、自由参加の親睦会をおこなったりもした
  • 先生役とは無関係に HR部が執り行う研修も多く、割合は半々くらい?

先生役による企画

HR部の用意したカリキュラムのほかに、先生役が自由に企画を執り行う時間もあった
1回あたりだいたい 30-60分で、週に 2回くらいの頻度で開催する

今回は以下のような内容を取り上げた

  • 失敗談を開示してチームビルディング
  • 「そもそも新入社員研修ってなんでやるの?」を解説したり
  • 「新人を受け入れる側は何を気にするのか」を解説したり
  • 最終日には楽しげに卒業証書授与みたいなことを
  • etc.

学んだこと

入社後の 1ヶ月は最大級の成長期

彼らと接してみて驚いたことがいくつかあるが、まずはとにかく学習意欲が凄まじいことだ

「学生から社会人に変わる」ということを強く意識しているようで、多くの人が自己変革をしようとしているのがわかった
「昨日の苦手に今日挑戦」し、苦手なことも 1-2週間で克服するくらいの超スピードな成長を垣間見ることができた
これができる大人はそうそういないと思う🤔

それほど意欲が高い期間なだけに、どのような環境で誰と一緒にいるかは本当に重要だと感じた

また、私はこの施策に取り組む前は「がんばって褒めるぞ!」と息巻いていたが、彼らの姿勢がすごすぎて「見守るだけででいいな…」と思うようになっていった

リモートネイティブ世代

驚いたことの 2つめは、彼らがオンラインでの研修に最初から順応していたことだ
発言者を除いてはみんな律儀にミュートにしているし、Zoomの機能も使いこなしている

思えば学校教育もリモートでおこなわれていたはずで、きけば就職活動もほぼ全てがそうだったらしい
彼らとしては当たり前なのかもしれないが、こういった社会の変化が世代に反映されている様子を見ると、やはり驚いてしまう

また、彼らは最初期からオンラインでも発言しやすい空気を作るための配慮もしていて、そこにも感銘を受けた
リアクション機能を活用したり、所作を大きめにしたり
さらには、誰かが困っているときに「私の場合はこうしたら解決しました」といった感じで自ら発信する行動も見られた
すばらしい…👏

自己開示から始めよ

メンティー・トレーニーに対しては、まずこちらから積極的に自己開示をしていくべきだと感じた

というのも、研修期間の最初の週、先生役からかなり前のめりに「相談して」アピールをしていたが、あまり相談の件数は多くなかった (ある程度予想通りではある)
何も悩みがなければいいのだが、彼らの日誌には「悩み・解決したいこと」の欄があり、多くの人がそこに何かしら書いている
つまり、悩みはあるけど先生役に相談するという行動に繋がっていないケースはあるだろうと思った

なぜだろうと考えたところ、先生役からの自己開示が足りていないのではとの仮説に至った
思えば 1週目は 1分ほどの自己紹介をしただけで、あとは研修のファシリテーションをするくらいであり、警戒心をほぐせていないおそれがあった

ただ、先生役は毎日のように彼らの日誌や自己紹介シートなどを見ており、一方的に親しみを持っているという状況に近い
そこに情報の非対称性があったと思われる

2週目に趣味や休日の過ごし方などを発信してみたところ、相談の件数が少し増えた (純粋に時間経過によって慣れてきたという理由もあるとは思う)
今後はメンティー・トレーニーに対して、まずこちらから積極的に自己開示をしていきたい

関係構築は 1対1で

オンラインで始まっただけに、関係構築の難しさを強く感じた

オンラインでは、少なくとも新入社員と先生役との関係は 1対多かつ単方向になりがちだった
それで彼らにとって気軽に相談できる人になるかというとそうではない
(もちろん、毎日ように Zoomを開放していた効果もあり、かなり気楽に話せるようになった人もいた)

そういったこともあって、最後の 3日間で直接会ったときの効果は絶大だったように思う

  • まず印象が全然違う人が多い
  • コミュニケーションの質が別次元
    • より双方向に
    • 多対多の会話も成立しやすい
    • 掛け合いが高速になる
    • 表情や身振りといった非言語情報が増える

直接会ったことで、課題になっていた関係性はかなり改善された
とはいえ、オンラインでも気軽に意思疎通ができるような関係を作れるように方法を考えたい

今回の反省点は、1対多かつ一方通行の関係になる傾向があったこと
そのため、今後はなるべく 1対1でコミュニケーションをする機会を設けたいと思う

とにかくピュアで健気

先述の成長意欲とも通ずるところがあるが、彼らは本当に誠実だった
まず誠意から入るという美しすぎる姿勢

そして、純度の高い感謝と善意余すことなく表現される
6年ほど組織の中で働いてきた人間としては、心が浄化される思いだった…

彼らのとんでもない吸収力はこの純粋さと成長意欲からきているのだろう
ただ、吸収力が強いだけに、良くも悪くも疑わない傾向にあるとは思う

というのも、多くの人からわれわれ先生役がかなり買いかぶられている気がする
実物より 2倍か 3倍くらいすごい人だと認識されているような実感がある…
多くの人にとって、おそらく初めて接する会社の先輩になるため、こうなるのも当然かもしれない
しばらく時間が経ってから「普通の人だったんだ」と気づいてもらえることを祈ろう🙏

また、みな優秀でひたむきだっただけに、杞憂だとは思うが組織の現実に失望してしまわないかが少し心配になった
そこは引き続き仲間たちと助け合って、折り合いをつけていってほしいなと思う

最後に

育成に関する知見を得たり、彼らの成長意欲に刺激を受けたりと、想像できないほど貴重な経験ができた
今までの仕事でもそうだったが、人に恵まれたなあと素直に感じる

最後の日には寄せ書きとお手紙までもらってしまって、ただただ感動した
こういった「人の思い」の表れた贈り物がこんなに嬉しいとは知らなかった

先輩たちに育ててもらったぶんを彼らに還元するつもりだったが、また多くのものをもらってしまった
これから何ができるかをもっと考えなくては…🤔

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください