「起業の科学」が本当に起業を科学していた

読み終えるまでの目安: 5分

目次

どんな人におすすめ?

この本は以下のような人におすすめしたい

  • 起業について様々な情報を目にしたものの、そのコンテクストが掴めない人
  • リーンスタートアップを実践するための具体的な手法や注意すべき点などを知りたい人

筆者は前書きにて以下のように記していた

「いつ、何のために役立つ情報かというコンテクストが分からない」「情報が散在していて、忙しい起業家には把握しきれない」。こうした問題点を解決するために、起業家が成長のステージごとに何に取り組めばよいのかを、私の経験も踏まえて時系列で整理した…

読者のイメージとしては、スタートアップに関してまだ経験が浅く、玉石混交の情報に左右され、シリコンバレーでもがいていた2011年の自分自身を想定して…

自身の痛みから始まったようなので、この本は今まさに迷っている起業家に刺さるのではないだろうか?

本の情報

タイトル起業の科学 スタートアップサイエンス
著者田所雅之
電子書籍版データ作成日2017.12.06

本書は同氏による「スタートアップサイエンス2017」というスライド集をもとに執筆したらしい

読んだ感想

夢を見ない

タイトルにも書いてある通り、本当に起業を「科学」していると感じた
あくまで博打はせず、合理的にスタートアップを成功させる方法論が語られている

全ての不確実性をゼロにすることはできないが、最小化するためのベストプラクティスがまとまっているように思う

包括的なプロセスが解説されている

この本では、アイデア出しからスケールの判断をするまで…つまりスタートアップの包括的なプロセスが取り上げられていた

章立ては以下の通り

  1. アイデアの検証
    スタートアップで取り組むに値するアイデアの特徴や、選定のしかたなど
  2. 課題の質を上げる (CPF)
    顧客の持つ課題を明確化する方法
  3. ソリューションの検証 (PSF)
    課題の解決方法が適切かどうかを判定する方法
  4. 人が欲しがるものを作る (PMF)
    MVPの制作から UXの向上、さらにはピボットの判断まで
  5. スケールするための変革
    利益構造を最適化するためのノウハウ

時系列に沿っているし、全体を俯瞰しやすい構造でユーザフレンドリーだと思う

「とにかく検証をしっかりやれ」という主張が一貫している

本書の解説においては、基本的に章の流れに沿って工程を進めていく
そのため、前の作業をおろそかにすると、後の作業が適切かどうかを判断するのも難しくなる

防げたはずの後戻りが発生すると、資金繰りがシビアなスタートアップにとって致命傷になりかねない

それゆえ、この本では「ステップごとに成果物の検証をしっかりやれ」と何度も釘を刺してくる
たとえば、

  • それが顧客の真の課題だといえるか?
  • それが適切な解決策だといえるか?

といったもの

これらを評価する姿勢が徹底して描かれているため、「科学」というタイトルを裏付ける要素にもなっていると思う

具体例・エピソードが載っている

序盤から終盤まで、様々な事例や著名人の発言などが随所で紹介されていた

たとえば、Facebookは立ち上げ初期から実装する機能の優先度をしっかりと検討しており、そのおかげでリソースの浪費を避けることができたんだとか

このように関連する具体例がよく登場することで、内容に厚みが出ていると感じた

まとめ

本書はリーンスタートアップを実践する人にとって、有益な地図になるのではないかと思う
自身の位置、進むべき方角を判断するための指標として役立ってくれそうだ

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